意識のアップロードを目指す株式会社MinD in a Deviceは、その中期事業計画として推進している「脳のしくみを用いたデジタルツインと現実世界の高精度な同期」への試みのなかで、気象予測の精度向上に向けた原理検証を実施し、大幅な精度向上を達成しました。
気象予測の精度向上には二つの要素があります。一つ目は気象シミュレーション自体の精度向上、二つ目は気象シミュレーションと実世界の大気状態を同期するしくみの精度向上です。今回は二つ目に着目して脳のしくみを取り入れました。
気象シミュレーションと実世界の同期を難しくする一つの要因は、得られるセンサ観測値(例:ラジオゾンデと呼ばれるゴム気球による各高度での大気状態の観測)が空間的に疎らであることです。そのため、従来手法では十分に同期させることができず、気象予測の精度低下の一要因となっていました。
そこに、脳のしくみ(例:疎らにしか存在しない皮膚の圧覚センサから得た時間振動等の情報より、指に触れるモノの質感を高精度に感じ取る)を取り入れることで、外界と気象シミュレーションの同期精度の向上を図りました。具体的には、疎らなセンサ情報の時間履歴から、AI技術の一翼を担う深層学習(脳の神経学習機構を工学的に実装したもの)を用いて非観測地点における大気状態を推測します。本提案手法を気象シミュレーションの原理モデルに適用したところ、従来手法に対して大幅な同期精度の向上がみられました。今後は実際の気象予測モデルに適用し性能検証を本格化させていくとともに、日本が高い世界シェアを誇るセンサと掛け合わせたデジタルツイン構想を加速してまいります。
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2020/4/14 プレスリリース(pdf・1.7MB)